チャター
- 作者: パトリック・ラーデンキーフ,Patrick Radden Keefe,冷泉彰彦
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 2005/11
- メディア: 単行本
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この本の題名のチャター*1という言葉の意味ですが、元々はお喋り、噂話、ゴシップという意味らしいのですが、911以後の現在ではチャターという言葉に不吉な意味が加わり、その日のチャター*2によってテロ警報が「オレンジ」になったり「イエロー」になったりしているらしい。
この本では主にアメリカの諜報機関NSAとイギリスの諜報機関GCHQ、そして情報傍受システムのエシュロンについて書かれています。しかし、諜報機関というだけあり情報を簡単に集められるわけがなくその内幕が書かれているわけではありません。エシュロンについても同様で、それが本当に存在するのか証明もできないし、それが存在しないという証明もできないという書き口です。しかし、かなりの状況証拠を念入りの調査した上で書いた本でそれなりに読み応えがあります。
著者は本の最後に治安とプライバシーのどちらが重要なのか、またプライバシーの定義とは何なのかを最後に読者に問いかけています。私自身、この問いかけについて少しではありますが考えてみました。しかし、どちらも大事だという曖昧な答えはしか出そうにありません。